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DATE: 2017/10/02(月)   CATEGORY: 秘書 萌美(61-80)
秘書 萌美(63)
 スタートホールのティーボックスに発起人の倫子が最初に立った。そしてティーインして二回ほど素振りをしてからドライバーを構える。

 コースは350ヤードのパー4のミドルホールでそれほど難しくはない。フルスイングではなく無理しない余裕のあるスイングでパーを狙えばよい。倫子はそのように気持ちを整理してからスイングした。

「ナイスショット!」
 
 萌美が思わず声を上げるほどに、倫子のティーショットは力みの無いスイングだった。ボールも綺麗な弧を描いて飛び、フェアウェーに落ちた。距離も熟女にしては遠くまで飛んでいる。

 それで巻きスカートの裾だが…。クラブを振り下ろした瞬間、捲れ上がって倫子のショーツが丸見えになったが、ティーイングランドではプレーヤーは後ろに下がっているから見えない。

 トップバッターの倫子が頑張ってくれると、次の萌美も余裕があり、フルスィングのショットができる。

 萌美はティーボックスに立つと、一歩後に下がって二回ほど素振りしてから構え、フルスィングした。キィーッ。クラブで切り裂かれた空気か金属音を発した。

「うおぉ!」
「すごい!」

 プロ並みのしなやかなスイングと空気の炸裂音に倫子も輝彦たちも感嘆の声をあげた。ボールは晩夏の青空に吸い込まれて、倫子の倍の距離は飛んで、グリーンに近いフェアウエーに落ちた。

 続いて京葉電鉄のお偉方の番。最初は慶太になった。スイングの練習を入念にしてからドライバーを構える。そして振り上げて振り下ろす。ゴルフのキャリアは倫子よりも長いのに身体がいかにも硬い。空気を裂く音が鈍く、ボールはそれなりに遠くへと飛んだがラフに落ちた。

「美人秘書と温泉に行けないぞ!」
と、輝彦が笑ってから、ドライバーを手にしてティーボックスに立つ。

 ゴルフのキャリアは四人の中で最も短く、不動産部がゴルフ場まで手を伸ばし始めた半年前からだ。その割にはゴルフセンスがあり上達が早かった。

 その輝彦がスイングの素振りをしてから大きく構える。そして振り下ろす。ボォッ。スイングは力強く切れ味も悪くない。打たれたボールは萌美よりも遠距離に飛んだ。だが上空で大きくカーブしてラフに落ちた。

「単価表を持っていかれるぞ!」
 慶太も息子に負けずと、笑ってからかう。

 そうして始まったコンペに秘書たちも京葉電鉄のお偉方も、満面に笑みを湛えてボールが落ちた場所へとカートで移動する。

 第2打(セカンドショット)。
 順番はホールからボールが遠い京葉電鉄のお偉方から。慶太はラフからアイアンで強いショット。ボールはフェアウエーを越えて再びラフへ。
「温泉旅行は諦めな」
と、輝彦。

 続いて、その彼もラフからの腕力任せのショット。千切れた芝を吹き飛ばしてボールはバンカーへ。
「単価表を持っていかれたら懲罰委員会に諮られるぞ」

 慶太が輝彦を脅かすが、まんざら嘘でもない。社外に流出したのが委員の耳に入ったら、関係者と本人は懲罰を受ける。もっとも懲罰委員会の長は社長の慶太になっている。

 次は秘書たちの番。倫子は5番アイアンでグリーンに寄せる。萌美は7番アイアンでグリーンインする。二人はショットに夢中でスカートの裾のことは忘れている。男たちも露わになった秘書たちのショーツにちらりと目をやるだけだ。

 第3打(サードショット)。
 まずはボールがバンカーに嵌ってしまった輝彦から。バンカーに慣れていないせいか、サンドウェッジの構えがなっちゃいない。それなのに強くスイングして砂塵をあげてボールを出すが、勢い余ってバンカーの反対側のラフへ。続いて慶太はラフからボールをグリーンに寄せる。

 その彼らに比べて秘書たちは好調だった。男たちのマナーもまあまあで、危惧していたスカートの中が見えるような位置に立つこともなく、ショットに神経を集中して打つことができていた。

 倫子はグリーンに寄せたボールを手堅くグリーンに乗せる。萌美はグリーンインしているボールをピンの50センチ手前まで寄せる。

 第4打(パー)。
 バンカーとラフから抜け出せない輝彦の顔から笑みが消えている。秘書たちも男たちの調子の悪さに気が穏やかではない。特に萌美は女好きの輝彦が機嫌を損ねたときの行動が手に取るように分かるからだ。

 その輝彦はアイアンを手にして何回も素振リしている。ラフからボールを出すコツはスイングの強さではなくインパクトに神経を集中することだ。それを萌美は教えてあげたいが、今日は勝つことが優先される。

 輝彦がスイングした。千切れた芝が吹きとんでボールはかろうじてフェアウエーへ。結局、輝彦がカップインできたのはそこから3打目で、1番ホールはトリプルボギー(+3)に終わった。続いて慶太はボールを4打目でグリーンインして、そこから手堅くピンへ寄せ、最後のパットを上手に終えてダブルボギー(+2)で終えた。

 秘書たちの番になった。倫子はグリーンに乗せたボールをパターの2打でカップインさせ、慶太と同じダブルボギー(+2)で終えた。萌美はピンの50センチ手前に寄せているボール難なくカップインさせてパー(0)で終えた。

 1番ホールを終えた段階でのスコアは秘書たちのツーオーバー(+2)。お偉方のファイブオーバー(+5)だった。どちらが勝っているかは小学一年生でもわかる。

 この1番ホールが終わってから、案の定、輝彦の機嫌か悪くなり、マナーを無視した態度が目立つようになった。秘書たちのショットやパターのとき、意識してスカートの中が見える位置に立ち、しっかりと見るようになった。

 特に萌美のショットの時には、輝彦はさっと彼女の傍に行き、


「…濡れている」とか「…ショーツから見えている」
と、嫌らしいことを耳に囁いてくる。

 萌美は最初のうちは、いい年をした男が…。と、意に返さないようにしていたが、ゴルフコースを廻るうちにジャブのように効いてくるのを覚えていた。


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