秘書 倫子(21)
男滝から遊歩道に戻っても小野田の姿は無かった。
「まだ時間もあるし、残りの滝を見てから戻りましょう」
檜山が倫子の肩に手を置いて促がしてくる。
倫子は小野田の姿を捜したが、気を利かしたつもりなのか道の先にも後にも姿は見えない。しかたがなく、倫子は檜山に誘われるままに彼と遊歩道を歩いて行く。
ときどき擦れ違う観光客のほとんどが若いペアで、道の外れで抱き合っている若い男女もいる。檜山の説明ではこの神山三滝は男女の性器を祀り、性交と安産祈願の神様を祭っているという。たしかに次に観た女滝では岩壁があまりにも女性器に似ていて、落ちる水までが女の体液みたいだった。そして滝壺でも若い男女が抱き合っていた。
「男と女が抱き合うのは、ここではなんでもないのですよ」
檜山がそういって倫子の腰に腕を回してくる。男滝での既成事実と目の前で抱き合っているカップルを前にしては倫子も抗うことができない。
最後の夫婦滝では岩壁の頂きに岩と岩が折り重なった部分があり、いかにも男女が性交しているようで、落下する水が散りながら滝壺に落ちていく。
「あの滝の水はなにを表わしているのかわかります」
「いいえ」
その倫子の耳に檜山が囁いてきた。
「男女の交合で飛び散る愛液ですよ」
臆することなく口にしてきた檜山に倫子は顔を染めた。
その倫子の腰に檜山は腕を回す。倫子は強く拒むことができずにブラウスの突き出しを檜山に押し付けていく。
「あなたが好きになりそうです」
檜山は抱き寄せた倫子の背中からお尻まで手を這わせていく。
「…こまります」
これから大切な取引先にもなる芙蓉不動産の檜山に倫子は、これ以外の言葉が思い浮かばない。嫌うのではなく受容しながらの拒みしかできない。
その倫子の遠慮した態度に檜山の手は大胆になっていく。抱き寄せている倫子の背中を擦りながらお尻まで落ちると、太腿を擦りながら前へと這わせていく。
男滝では檜山の手から逃げ延びた倫子の過敏な部分が、内腿を執拗に愛撫しながら這わせてきた檜山の手に捉われる。
「…ぁ」
と、倫子は微かな声を漏らして腰を引くが、結局は強く抱き寄せられてパンストの上から大切な部分のすべてが檜山の手に納められる。
「貴女と最初に会ったときから、こうしたかった」
その檜山の言葉には信念が込められている。あの初対面で、故意ではないにしても見せてきた悩ましい美脚の奥を、己の手中に納めたいと思うのは男なら当然のことだった。
一方、倫子は小野田といい、この檜山といい、女のもっとも恥ずかしい部分を直接、責めてくるのは、建設会社の男に共通した不器用な愛し方だと思っていた。恋仲でもない関係では接吻は似合わないし…。
「好きになってもいいでしょう」
「…こまります」
倫子は腰を僅かにくねらせて逃がしながら返す。その腰のくねりが過敏な部分への摩擦を生んで身体をよけいに火照らせていく。
「なぜです」
「…なぜっていわれても」
このまま女の部分を捉えられていれば萎えていくのがわかっている倫子。腰を逃がしながら男滝の時と同じように手を彼との間に差し入れていく。それでも、女の部分に纏わりついてくる檜山の手。
その嫌らしい彼の手に倫子の女体が降参したかのように潤いの兆しが…。
倫子は気力を振り絞って彼の胸から身体を離した。
「まだ時間もあるし、残りの滝を見てから戻りましょう」
檜山が倫子の肩に手を置いて促がしてくる。
倫子は小野田の姿を捜したが、気を利かしたつもりなのか道の先にも後にも姿は見えない。しかたがなく、倫子は檜山に誘われるままに彼と遊歩道を歩いて行く。
ときどき擦れ違う観光客のほとんどが若いペアで、道の外れで抱き合っている若い男女もいる。檜山の説明ではこの神山三滝は男女の性器を祀り、性交と安産祈願の神様を祭っているという。たしかに次に観た女滝では岩壁があまりにも女性器に似ていて、落ちる水までが女の体液みたいだった。そして滝壺でも若い男女が抱き合っていた。
「男と女が抱き合うのは、ここではなんでもないのですよ」
檜山がそういって倫子の腰に腕を回してくる。男滝での既成事実と目の前で抱き合っているカップルを前にしては倫子も抗うことができない。
最後の夫婦滝では岩壁の頂きに岩と岩が折り重なった部分があり、いかにも男女が性交しているようで、落下する水が散りながら滝壺に落ちていく。
「あの滝の水はなにを表わしているのかわかります」
「いいえ」
その倫子の耳に檜山が囁いてきた。
「男女の交合で飛び散る愛液ですよ」
臆することなく口にしてきた檜山に倫子は顔を染めた。
その倫子の腰に檜山は腕を回す。倫子は強く拒むことができずにブラウスの突き出しを檜山に押し付けていく。
「あなたが好きになりそうです」
檜山は抱き寄せた倫子の背中からお尻まで手を這わせていく。
「…こまります」
これから大切な取引先にもなる芙蓉不動産の檜山に倫子は、これ以外の言葉が思い浮かばない。嫌うのではなく受容しながらの拒みしかできない。
その倫子の遠慮した態度に檜山の手は大胆になっていく。抱き寄せている倫子の背中を擦りながらお尻まで落ちると、太腿を擦りながら前へと這わせていく。
男滝では檜山の手から逃げ延びた倫子の過敏な部分が、内腿を執拗に愛撫しながら這わせてきた檜山の手に捉われる。
「…ぁ」
と、倫子は微かな声を漏らして腰を引くが、結局は強く抱き寄せられてパンストの上から大切な部分のすべてが檜山の手に納められる。
「貴女と最初に会ったときから、こうしたかった」
その檜山の言葉には信念が込められている。あの初対面で、故意ではないにしても見せてきた悩ましい美脚の奥を、己の手中に納めたいと思うのは男なら当然のことだった。
一方、倫子は小野田といい、この檜山といい、女のもっとも恥ずかしい部分を直接、責めてくるのは、建設会社の男に共通した不器用な愛し方だと思っていた。恋仲でもない関係では接吻は似合わないし…。
「好きになってもいいでしょう」
「…こまります」
倫子は腰を僅かにくねらせて逃がしながら返す。その腰のくねりが過敏な部分への摩擦を生んで身体をよけいに火照らせていく。
「なぜです」
「…なぜっていわれても」
このまま女の部分を捉えられていれば萎えていくのがわかっている倫子。腰を逃がしながら男滝の時と同じように手を彼との間に差し入れていく。それでも、女の部分に纏わりついてくる檜山の手。
その嫌らしい彼の手に倫子の女体が降参したかのように潤いの兆しが…。
倫子は気力を振り絞って彼の胸から身体を離した。
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