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准教授 美紗子(47)
 その日、美紗子は朝早く目が覚めた。

 待ち合わせ場所が自宅マンションの玄関前なので、安心して寝すぎてしまうのではないかと逆に心配して眠りを浅くしていた。

 美紗子は起きてすぐにシャワーを済まして化粧をしていく。ミニのボディコンに負けないように化粧も濃い目にする。口紅は資生堂からシャネルのピンク系にして顔を若く魅せるようにする。自信のある切れ長の眼のアイシャドーは今のままで良い。

 化粧はいつもの二倍の時間を費やし本人が納得する若返りに成功してベッドに仰向けになって五分ほど休憩した。

  …女は大変なのよ岩下くん。

 美紗子は天井にしばらく視線を預けてから、起き上がってバスローブを脱いで全裸になった。

 姿見に肢体を映してチェックし、マチ無しショーツ、ハーフカップのブラを身に着けていく。色は白にして、いつものガーター・ストッキングはやめてパンストを穿く。そのパンストもショーツの女の形まですっきりと目視できる透け感の強い20デニールにする。

 そしてハーフカップのブラジャーを取り出す。ストラップを肩に掛けて乳房をカップに納めてから背中のホックを掛ける。
 乳首はなんとか隠れるけど、恥ずかしい乳の盛り上がりと突き出しは慣れるしかない。
 
 ブラをつけたところで美紗子はため息をついてからホディコンを着ていく。
 ファスナーを股まで全部下ろしてから、片腕をそれぞれの袖に入れて、ファスナーを首まで一気に上げる。

 小気味よい連続音が走り抜けて美紗子の女体にぴっちりとブルーのニットが張りついた。
 美紗子は姿見に目をやって身体をいろいろな角度から映して見る。

 乳房が突き出した分、腰の括れが目立っている。さらには腹部から恥部への微妙な女体の起伏までがニットに薄っすらと映しだされている。

 …まるでルパン三世の峰不二子。
 
 美紗子は鏡の女に呟くと旅行カバンを手にして部屋を後にした。

                      *****

 マンションの正面玄関を出たところで美紗子は腕時計で時刻を確認した。約束の時間の十五分前だった。天気は秋晴れで美紗子のボディコンの色のような青空が空高く広がっている。

 来客用の駐車場に目をやると黒のセダンが一台停まっている。

 まさかこんなに早く…。

 美紗子は車内に人の姿を確認しようとしたが窓ガラスがすべてダークスモークになっていて何も見えない。

 車の傍に行って運転手の顔を確認したいと思ったが、他人の目にボディコンの身体を晒す勇気もなく、美紗子は旅行カバンを玄関前に下ろして待つことにした。

 十五分は待ち時間としては長く、美紗子はマンションのエントランスに入って手鏡で化粧を確認したり、ボディコンの裾を引いたり、また外に出て秋の高い空を仰ぎ見たりして時間を潰し、時折、駐車場に視線をやった。

 あの来客用に停まっていた黒い車が動いたのは約束の午前十時ぴったりだった。その十五分前に来て、待ち合わせた連れの女を観察していたなんていかにも変態の岩下くんらしかった。

 美紗子はこちらに向かってくる車にボディコンの身体を気後れすることなく見せつけるようにして車が横付けになるのを待った。

 その黒いセダンは警笛の打診音を二度鳴らして美紗子の前に停まった。美紗子がドアの前へと身体を寄せると、反対側のドアから岩下透が降りてきて美紗子の旅行バックを掴むと、
「セクシー過ぎてアダルト女優かと思った」
と、助手席のドアを開けて、
「どうぞ」
と、肩に手を置いて促がした。

 美紗子はありがとうとお礼を言ってから頭を屈めて乗り、助手席のシートに腰を下ろした。そして脚を揃えて車に納め、斜め横に倒した。

 気になっているミニのボディコンの裾は太腿の遙か上までずり上がって危険水域を越えている。美紗子はそれを予想して旅行バックから出しておいたハンドバックを膝の上に置いた。

 岩下透が旅行カバンをトランクに仕舞ってから乗ってきてエンジンを掛けた。それですぐに出発するのかと思ったら、
「ハンドバックを後部座席においてよ。いまさら気取るなよ。何のための旅行だよ」
と、美紗子を正面から見つめてくる。

 美紗子は彼の一直線な言葉に今更ながら驚くが、女にも自尊心があり、
「温泉に浸かってのんびりするの悪い」
と見つめ返す。

「美紗子先生はこんどの旅行で、温泉とセックスどっちが大事です。正直に答えてください」
 岩下透が断固、食い下がってきた。

 岩下透は後腐れが無いように出発前にはっきりとさせたかった。あの美紗子のマンションでの『口だけ番長くん』との揶揄は二度と言わせないつもりだった。そのかわり、今度の旅行では岩下透自身、それなりの決心をしている。

 美紗子は口を噤んでいた。透と同じようなことを思っていたのだ。根に持つほど、『口だけ番長くん』が効いてしまったのかもしれない。ここは彼を怒らせないためにも正直に答えておくのが得策だと思った。

「…セックス」
と、美紗子は恥ずかしそうな小声で答えた。

「もっと大きな声で」
「温泉よりもセックス! セックス! これでいいかしら」
 美紗子は大きな声で二度も繰り返してから、ハンドバックを後部座席に投げた。

 助手席の視野いっぱいに美紗子の美脚が伸び伸びとし、その行き止まりにはパンストから透けたショーツに女の形が浮かびあがっていた。
 


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