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DATE: 2016/06/24(金)   CATEGORY: 秘書 倫子(21-40)
秘書 倫子(22)
 そうして三つの滝を観終えた倫子たちは旅館の駐車場に戻った。そこに小野田が運転手と話しをしながら待っていた。

 倫子はその小野田に事の成り行きを説明した。すると彼は顔を綻ばせて、こうなることを予想して旅館の一部屋を借りて接待の準備ができているという。倫子は小野田の手際の良さに感心した。檜山も小野田から聞いて照れながら彼の後について旅館に入っていく。

 小野田が手配した部屋は渓流を臨む和室の広い部屋だった。すでに部屋には宴会用の料理が並べられている。倫子たちは窓外の渓流を眺めながら檜山が風呂から上がってくるのを待った。

「少しは濡らされたのか」
「ええ、とっても。滝のたびに抱き締められたの」

 倫子は開き直って返し、小野田を挑むように見つめる。

 あの宿泊視察から帰ってから倫子は一度も小野田に抱かれていない。それというのも彼が誘ってこないからだが…。だからといって女の自分から誘うことなんか論外な倫子の口からは嫌味な言葉が出てしまう。

 小野田が倫子を誘わないのは彼女を欲求不満にして顧客を接待させる意図があるからだ。

「それは結構なことだ」

 小野田はそう返すと窓外の渓流に視線を預ける。

 やがて風呂から上がった檜山が浴衣で部屋に現れた。その檜山を倫子たちは笑顔で迎えて席に着かせると、倫子は檜山の隣に小野田は彼の正面に座った。

 檜山に小野田が麦酒を注ぎ、その小野田に檜山が注ぎ返す。そして倫子は檜山に注がれて乾杯となった。互いに相手の会社を褒め讃えた音頭を口にし、コップの麦酒を飲み干す。

 そうして始まった檜山の接待だが、滝の散策で倫子を強引に抱き寄せるようなことをした大胆な男が、改まった酒宴の席では別人のように大人しくなっていた。

 その彼の隣に座っている倫子はほっとしていたが、小野田はそんな檜山が気にくわなかった。倫子に対してたっぷりと破廉恥なことをさせて恩を売り、いくらかでも請負工事の指名を確かなものにしたいのが彼の本音だからだ。



                                                                         
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