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DATE: 2016/05/11(水)   CATEGORY: 秘書 倫子(01-20)
秘書 倫子(3)
 社長の部屋は八畳間の和室とベッドのある洋間の和洋室となっている。その部屋の外には岩で囲まれたこじんまりした露天風呂が湯気をあげている。
 
  倫子は鍵をお膳の上に置くと自分の部屋に行こうとした。すると部屋の窓から露天風呂を眺めている小野田がこう言ってきた。

「今の仕事を続けたいならば、この部屋からでないように」と。

  自分の部屋に行きかけていた倫子の足が止まった。

「ひとっ風呂浴びてくる」

 小野田は部屋で佇んでいる倫子を尻眼に服を乱暴に脱ぎ捨てると露天風呂へと行く。
  部屋に残された倫子はその場に佇んだ。
  衣服の着替えでも部屋を出ていってはいけないのか。そんなことよりも小野田はこの自分に対し深刻な覚悟をしろと命じているのか。

 宿泊という日程に倫子は身の危うさを感じてはいたが、部屋を別々にすれば擦り抜けることができると安心していた。けれども、全く予想もしていなかった小野田の強引ともいえる態度だった。

 倫子の頭は混乱した。小野田の忠告を無視して自分の部屋にいくべきなのか、それともこの場に留まるべきなのか倫子は決断ができなかった。

 やがて、その倫子の混乱は時間の経過とともに納まっていった。
 病弱な母との苦しい生活が強いられる一般の事務職にはなりたくないという強い思いが雑念を払拭したからだ。

 倫子は呼吸を整えるとその場から離れた。社長の脱ぎ捨てられた衣服を折り畳んでから浴衣を添え、お膳の傍に正座して彼がお風呂からあがってくるのを待った。

 そうして彼を待つ倫子は部屋の隅々を見つめるのも飽きて、なにげなく露天風呂の方へ視線をやった。
 
 湯の中を歩いている小野田の背中がガラス戸越しに見える。倫子より五つほど年上の体は男盛りで褐色に日焼けしている。倫子は肩の盛り上がった筋肉質な小野田の背中に見入っていた。

 その背中が突然反転した。倫子は巨大な屹立を目にし、思わず小声をあげて彼から顔を背けた。
 それから間もなくしてからだった。小野田が風呂から上がってこちらに来る気配がしたのは。

 畳みを踏みしめる気配と部屋に漂う男の湯あがりの匂い。倫子は目を閉じる。
 その彼女の項に湯上りの小野田の体の一部が押し付けられてきた。倫子は閉じた瞼を強くする。

 その彼女に小野田はさらに悪戯をする。項から頬へと擦りながら勃起を顔の方へと移していく。
 倫子は勃起から逃れるように顔を反対側へと向ける。
 その逃げた倫子の顔の、さらに口へと小野田は勃起を近付けていく。

「ぃゃ」

 倫子は顔を反対側へと振り、腰を浮かせてその場から逃げた。けれども部屋から出ていくほどの決断ができずに部屋の隅に正座して控えた。



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