秘書 倫子(2)
車内放送がふたたび倫子たちの降りる駅名を告げてきた。
倫子は席から立つと棚から旅行ケースを下して小野田に渡し、彼の後に続いて通路に出た。
窓外の街並みが後ろへと逃げていく。その速度がしだいに遅くなって、広告塔のペンキの文字も読めるようになると電車はホームに滑り込んだ。
ドアが開き小野田が先に降り、倫子も続いて降りる。階段を上り下りし、渡り廊下を歩いて改札から駅舎の外に出た。
「あそこにタクシー乗り場がある」
駅前広場の噴水地の傍にタクシーが一台止まっている。
小野田が早足で歩きだし、倫子も彼の早足に合わせるように小走りする。その倫子のブラウスの胸が震えている。美脚と同様に形よく突き出した乳房も彼女の美貌の一役を担っている。
乗り場に着くと同時にタクシーのドアが開いて小野田と倫子は乗った。
倫子にホテルの名を告げられた運転手はタクシーを走らせた。
「ホテルまで時間はどのくらいです」
「五分ぐらいです」
運転手が言ったとおりホテルにはすぐに着いた。
海に臨んだ五階建ての瀟洒な造りだった。ホテルの背後から潮騒が轟いている。
「小奇麗なホテルじゃないか」
ホテルを見上げた小野田が目を細める。
玄関からホテルに入るとシャンデリアの輝いているロビーが広がっていてフロントの女がこちらを見ている。
「部屋は?」
訊いてきた小野田に倫子は説明した。
予約した部屋は二部屋で、一部屋は社長の要望を受け入れて露天風呂付きの部屋にしておいた。
「ご要望どおりに」
小野田が頷き、倫子はフロントに向かった。
チェックインし二つの鍵を受け取ると小野田の傍に行った。
「夕食ですが、社長のお部屋に二人分用意してもらうようにしておきました」
倫子は社長の要望を受け入れて、ラウンジの会食を特別料金で部屋食にさせてもらった。その彼は大股でエレベーターの方へ歩いて行く。倫子はその彼の後についていく。
エレベーターのボタンを押して中に入り部屋の階を押す。扉が閉まると床が浮き上がり、ゆっくりした昇りで五階に止まった。
赤い絨毯が敷かれている長い廊下を倫子は鍵と部屋の番号を照合しながら小野田の先を行く。そして彼が泊まる部屋の前まで来るとドアを鍵で開けて入った。
倫子は席から立つと棚から旅行ケースを下して小野田に渡し、彼の後に続いて通路に出た。
窓外の街並みが後ろへと逃げていく。その速度がしだいに遅くなって、広告塔のペンキの文字も読めるようになると電車はホームに滑り込んだ。
ドアが開き小野田が先に降り、倫子も続いて降りる。階段を上り下りし、渡り廊下を歩いて改札から駅舎の外に出た。
「あそこにタクシー乗り場がある」
駅前広場の噴水地の傍にタクシーが一台止まっている。
小野田が早足で歩きだし、倫子も彼の早足に合わせるように小走りする。その倫子のブラウスの胸が震えている。美脚と同様に形よく突き出した乳房も彼女の美貌の一役を担っている。
乗り場に着くと同時にタクシーのドアが開いて小野田と倫子は乗った。
倫子にホテルの名を告げられた運転手はタクシーを走らせた。
「ホテルまで時間はどのくらいです」
「五分ぐらいです」
運転手が言ったとおりホテルにはすぐに着いた。
海に臨んだ五階建ての瀟洒な造りだった。ホテルの背後から潮騒が轟いている。
「小奇麗なホテルじゃないか」
ホテルを見上げた小野田が目を細める。
玄関からホテルに入るとシャンデリアの輝いているロビーが広がっていてフロントの女がこちらを見ている。
「部屋は?」
訊いてきた小野田に倫子は説明した。
予約した部屋は二部屋で、一部屋は社長の要望を受け入れて露天風呂付きの部屋にしておいた。
「ご要望どおりに」
小野田が頷き、倫子はフロントに向かった。
チェックインし二つの鍵を受け取ると小野田の傍に行った。
「夕食ですが、社長のお部屋に二人分用意してもらうようにしておきました」
倫子は社長の要望を受け入れて、ラウンジの会食を特別料金で部屋食にさせてもらった。その彼は大股でエレベーターの方へ歩いて行く。倫子はその彼の後についていく。
エレベーターのボタンを押して中に入り部屋の階を押す。扉が閉まると床が浮き上がり、ゆっくりした昇りで五階に止まった。
赤い絨毯が敷かれている長い廊下を倫子は鍵と部屋の番号を照合しながら小野田の先を行く。そして彼が泊まる部屋の前まで来るとドアを鍵で開けて入った。
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